「購買行動のソーシャル化」が注目を集めるようになったのは、米国あたりではこの3年、それに後れを取り、日本ではこの1年くらいといったところだろうか。

 その「購買行動のソーシャル化」がどのような現象かといえば、

(1)SNS、ツイッター、ブログなどのソーシャルメディアが、購買行動に何らかの影響を与えるようになったこと。

(2)上記(1)を背景に、ソーシャルメディア経由でECサイトへユーザーが誘導され、消費が行われるようになったこと。

 これら2つが、大枠的なものだと考えている。

 「購買行動のソーシャル化」は、「ソーシャルコマース」と称されることが多いが、これは特に(2)を指しての表現だ。

 この「ソーシャルコマース」は、現在いくつかの方法論によって構成されている。

(1)既存のECサイトをソーシャル化する

(2)フェイスブックへ出店する

(3)ソーシャルメディアとの連携をベースとして作られたECサイトを活用する

 さらに細分化すれば、その方法論はもっと多岐にわたるが、ここまでよく採択されてきたのは概ねこの3つだ。

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 では、それぞれの概要と現状について整理してみたい。

 まず(1)の「既存のECサイトをソーシャル化する」方法だ。

 これに関しては、「ソーシャルプラグイン」という機能を用いることをもって、すなわち“ソーシャル化”と見なされている場合が多いというのが現状だ。

 「ソーシャルプラグイン」とは、各ソーシャルメディアがECサイトなどの外部サイトに設置できるように提供している機能のことで、フェイスブックであれば「いいね!」やコメント、ツイッターであれば「ツイートする」、ミクシィであれば「イイネ!」、グーグルであれば「+1(プラスワン)」ボタンが代表的だ。

 「ソーシャルプラグイン」の取り扱いは簡単ということもあり、ECサイトをソーシャル化するというと、それらのボタンをECサイトに導入することが、ひとまずの方策となっている。

 ECサイトによるソーシャルプラグインの導入状況は、2011年8月時点で過半数に達しているという調査データもあり、それ以降も急速に進んでいる。