陸上自衛隊第3師団の番匠幸一郎師団長をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 防衛大学校を卒業して陸上自衛官に任官した後、富士学校で幹部レンジャー課程を終了した経験を持つ番匠氏が、自衛隊の災害支援活動やイラク派遣について語った。

自衛隊の任務は、国民の平和と安全、生命と財産を守ること

中山 今回のゲストは鹿児島県出身の陸上自衛官で、現在陸上自衛隊の第3師団長を務めておられる番匠幸一郎さんです。

 まずは、第3師団とは何をするところなのかを教えてください。

番匠 陸上自衛隊には全国に師団や旅団などの部隊があります。師団というのは4~6の県を担当する平均7000人前後の組織のことで、私がいる第3師団は、兵庫、大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山の近畿2府4県における防衛警備、災害派遣を担い、国民の平和と安全、生命と財産を守ることを任務としてます。

【写真特集】震災被災地で活動する自衛隊員ら

東日本大震災の被災地で行方不明者の捜索を行う自衛隊員(2011年4月10日撮影)〔AFPBB News

中山 昨年、和歌山県で台風12号による山津波が発生しましたが、その際も災害派遣で現地に入られたのですか。

番匠 はい。9月3日の夜に和歌山県知事から、翌日には奈良県知事から要請を受けて各地区を担当する部隊を出動させました。

 状況を見ながら第3師団が逐一対応し、約1カ月半の間に延べ3万人の隊員が災害救援にあたりました。

東日本大震災では半世紀以上にわたる日米同盟が役立った

中山 番匠さんは、東日本大震災の救援活動にも従事されたそうですね。

番匠 震災発生当日、私は前職で市ヶ谷に勤務しており、そのまま指揮所に入って全国の部隊の運用にかかわる業務に就きました。甚大な被害の情報が刻々と入る中、1人でも多くの人命を救うための活動、また、救助された方々の生活支援やライフラインの確保などに努めました。

 その後、「トモダチ作戦」という米軍による強力な支援のことは皆さんご存じかと思いますが、その仕事をするため、横田基地で日米の共同調整を行っていました。

中山 実際に「トモダチ作戦」をご覧になり、どんな印象を受けましたか。

番匠 米国が同盟国でよかった、米軍という我々の友人がいてくれてよかったと痛感しました。「A friend in need is a friend indeed(まさかの時の友こそ真の友)」という言葉がありますが、まさにそれを実感しましたね。