ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブックは23日、米ナスダック市場に上場を申請した。また米証券取引委員会(SEC)に提出した書類(PDF)で、今年1~3月期の業績が1年前から増収、減益になったことも明らかにした。
純利益、前期から32%減少
それによると、売上高は10億5800万ドルで1年前の7億3100万ドルから45%増加したものの、純利益は2億500万ドルと、1年前の2億3300万ドルから12%減少した。
また、これを昨年10~12月期と比較すると、6%の減収、32%の減益となる。
1カ月に1回以上サービス利用した月間アクティブユーザー数は9億100万人で、昨年末の8億4500万人から増加した。しかし利用者1人当たりの平均売上高は前期から12%減少している。
同社はこれを「季節的傾向」と説明するが、米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアは、ライバルとのし烈な戦いでコストも増加しており、フェイスブックの業績は上場を目前に成長が鈍化したなどと報じている。
1000億ドルの時価総額を正当化
同紙によると、フェイスブックはデータセンターを構築し、従業員数を増やしている。また昨年は企業買収に6800万ドルを使い、今年に入ると同社のライバルとも言える写真共有サービスの米インスタグラム(Instagram)を約10億ドルで買収すると決めた。
5月にも上場すると見られる同社の時価総額は1000億ドルを超えるとの見方が広がる中、同社はその正当性を示すためにプレッシャーの中にあり、シリコンバレーで最大のIT企業を目指している。
そうした状況でライバル企業と同社との間で緊張が高まっているとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。