総選挙投開票日の翌日(2012年4月12日)に発表になったことで韓国メディアでもほとんど話題にならなかったが、韓国公正取引委員会が毎年恒例の「大企業集団」の資産規模などを発表した。サムスンなどおなじみの顔ぶれがずらりと並ぶが、よく見ると韓国の財閥の興亡と構造問題が浮き彫りになっている。

 韓国の公取委は資産規模が5兆ウォン(1円=14ウォン)以上の大企業集団に対して相互出資制限など各種規制を課している。このため毎年4月になると、大企業集団の資産規模や収益・負債状況などを詳細に発表している。

オーナー同士のメンツをかけた「規模拡大競争」

■韓国の財閥資産規模ランキング

(韓国公正取引委員会、数字は資産規模、兆ウォン)

【2012年4月】
1 サムスン 256
2 韓国電力公社 166
3 韓国土地住宅公社 159
4 現代自動車 155
5 SK 137
6 LG 101
7 ロッテ 83
8 ポスコ 81
9 現代重工業 56
10 GS 51
11 韓国道路公社 49
12 韓進 38
13 韓国ガス公社 34
14 ハンファ 34
15 KT 32
16 斗山 30
17 STX 24
18 韓国石油公社 24
19 韓国水資源公社 23
20 CJ 23
【1998年4月】
1 現代 74
2 サムスン 65
3 大宇 53
4 LG 53
5 SK 29
6 韓進 19
7 双竜 16
8 ハンファ 12
9 錦湖 10
10 東亜 9
11 ロッテ 9

 経済界では、「財閥資産規模ランキング」とも呼ばれる。グループ企業の資産をすべて合計した公式資料で、オーナー同士のメンツをかけた「規模拡大競争」の貴重なデータにもなっている。

 2012年4月12日基準のランキングは別表の通りだ。おなじみの名前がずらりと並ぶが、少し違和感があるとすれば公企業の名前が目立つことだ。韓国では公企業も規制の対象であるためだ。

 この表を見ると、いくつかの点が特徴として浮かび上がる。

 まず1つは、財閥(大企業集団)と言っても、規模の格差が大きいことだ。1位のサムスンと20位のCJの資産規模の差は10倍以上。CJはもともとサムスングループだった第一製糖が分離独立してできたグループで、堅実経営で知られるが、それでもこれだけの格差がある。

 サムスンと何かと比較されるLGだが、資産規模は2倍も開いてしまった。

 2つ目の特徴は、公企業は強しだ。上位20グループに公企業が6つも入っている。ポスコとKT(韓国通信)も、もともとは公企業で、合わせると8つ。全体の4割を占めることになる。

 上位20グループのうち、オーナー経営と公企業(民営化した公企業を含む)を除く、「オーナーがいない民間企業」は造船大手を中核とするSTXだけだ。

熾烈な競争で激変した勢力図

 おなじみの名前が並ぶと書いたが、財閥間の競争はもちろん熾烈だ。

 IMF危機と呼ばれた通貨経済危機の真っ只中の1998年4月のランキングも見てみよう。このときは、公企業は規制の対象外で、民間の財閥ランキングだが、この間に勢力図が大きく変わったことが分かる。