着実な合意作り=結果を出す政治が求められている

前回の総選挙は、政権交代ということばかりが前面に押し出されすぎたと思います。私たちは民主党のマニフェストを見て、これは実現が難しいですよ、うっかり政権交代を支持するとがっかりな結果になりかねませんよと、みなさんに申し上げました。その懸念が今、現実のものになっています。
彼らが掲げたマニフェストはもはや総崩れです。政権交代以来、総理大臣はすでに3人目なのに、その間選挙をやっていない。政権を担い続けることの正当性すら危うい状態と言えます。
民主党はそもそも来歴の違う人たちが集まって作った政党です。綱領がないということも、党内がまとまらない原因でしょう。今のままで信頼を取り戻すのはとうてい難しいと思います。
とにかく議論ばかりで、意志決定ということができない。震災復興にしても今回の北朝鮮のミサイル問題にしても、対応が遅すぎます。
国会がねじれ状態にある今、求められているのは合意を着実に作る、結果を出す政治だと思います。だからこそ、去年から主要政党で協議をして議員立法を進めてきた。去年の通常国会、秋の臨時国会で合計31本の議員立法を作りました。1年間で見ると、これは平成になってからの新記録です。
対決するところはもちろんガチンと、がっぷり四つでやらないといけません。しかし、例えば国家公務員の給与削減、児童手当の作り直し、あるいは沖縄や福島の特別措置法などは放置できませんから、粘り強く協議して合意を作りました。
橋下氏には言うべきは言い協力すべきは協力する
橋下(徹)大阪市長は報道を引きつけるのがたいへん上手な、発信力のある方だと思います。国民のみなさんの隠れた声を引き出して、それを明らかにするという役割を果たされている部分は評価できます。
大阪市長である橋下さんに対して、公明党は言うべきことは言う、協力すべきことは協力するという立場です。
一方、大阪維新の会が国政にどう臨むのかはまだ定かではありませんが、われわれは既成政党のひとつとして挑戦状を突きつけられている状況です。これについては自らを省みるという受け止め方をしないといけないと思っています。
大阪維新の会の政策について言えば、具体的な中身はこれからだと思いますが、にわかに実現するのが難しい課題も多いと思います。ただ地方自治、地域主権ということには具体的な、積極的な発言も見受けられます。われわれも前向きに法案を出していきたいと思っています。