日常的なユーザーの方ならお分かりだと思うが、フェイスブックは頻繁にこまごまとした仕様変更を行っている。個々の変更をそのたびにアナウンスするわけではなく、ユーザーからすると「いつの間にか変わったみたいだね」という形のものが多い。
そしてそれらの新しい仕様は、使い勝手が良くなったり面白いものならばいいが、必ずしもそうとも言えない。
筆者の場合、今年の2月の仕様変更がどうも馴染めなかった。それは、「自分の友達が『いいね』ボタンを押した、自分の友達ではない人たちの投稿が、自分のフィード上に出てくるようになった」というものだ。フィードがそればかりになってしまうので、自分から「いいね」ボタンを押したり「コメント」を書くことを控えるようになった。仕様変更のおかげで、正直なところ活用度が下がったのだ。
このように、広く使われているアプリケーションの提供者側が勝手に行う機能や使い勝手の見直しは、ユーザーの利用度にどんな影響をもたらすのだろうか。
企業において、顧客向けのサイトや社内用のシステムなどで「作ったのに使ってもらえない」という問題を抱えているものは多い。それらは、仕様を変更することで使ってもらえるようになることがあるのだろうか。
そんな疑問に答えてくれそうなデータを探してみた。だが、自分の問題意識を解決してくれるものは残念ながら見当たらない。例えば、「いいね」や「コメント」の数の推移などは公開されていなかった。
しかし、フェイスブックがSEC向けに提出した上場申請書類の中の「機能追加のヒストリー」と「利用者実態のデータ」を分析してみると、ある仮説が浮かび上がった。
フェイスブック利用者の伸長率は鈍化している
見たことがある方もおられると思うが、フェイスブックが公開した、月別の「Daily Active Users(DAUs)」という数字がある。投稿やコメントなどの何らかのアクションを起こした1日のユーザー数を、月ごとに平均したものだそうだ。