ロサンゼルスは天使たちの街と言われる。その天使たちというのはきっと、このプールサイドで色とりどりのビキニを身に着けて水遊びをしているゴージャスな女の子たちのことだ。

ビバリーヒルズのロデオドライブ。世界中からやって来た観光客で毎日のように賑わっている。立ち並ぶ高級ブランドのショップ、初めて見るような高級車を写真に収めようとする青年たち、ショーウインドーを見つめる女性たちの目はきらきらと輝いている(著者撮影、以下注記がないものは同様)

 眼の色も、肌の色も、髪の色も様々な天使たち。あ、天使の1人と目が合った。ウインクされたから、軽く手を挙げて応えてあげた・・・。

 ここは、ハリウッドの映画スターやセレブたちに愛されているホテル、シャトーマーモントのプールだ。

 以前、友人のオリヴィエ・マルティネスというフランス人俳優が歌手のカイリー・ミノーグと付き合っていた頃、3人でここでランチをして以来、僕のお気に入りの場所の1つになった。

 マルセイユの悪童オリヴィエ、現在はハル・ベリーと婚約していると聞いている。

 いつでもモテモテのオリヴィエは世界的俳優になってからも、目の前を綺麗な女の子が通り過ぎると、これでもかっていうくらい目で追いかける。そんなオリヴィエを、僕はある意味尊敬してやまない。

オスカー女優ハル・ベリー、仏俳優と婚約

オリヴィエ・マルティネス(左)とハル・ベリー〔AFPBB News

 どこまでも広がる雲ひとつない青い空。照りつけるカリフォルニアの太陽は、僕の愛用のサングラス、ニューウェイファーラーも意味をなさないほど、その存在感を強くアピールしている。

 こんな日には、こうしてシャトーマーモントのプールサイドで一日中デッキチェアに横たわっているのだ。太平洋から涼しい風が運ばれてきて、地中海のような気候にとても爽やかな気分になる。

 真っ白なグランドピアノのところで誰かが即興のセッションを始めた。演奏しているのは美人カントリー歌手のテイラー・スウィフトだ。そのリズムに合わせてダンスをしているのは10代のR&Bシンガー、ジャスティン・ビーバー。ライヴで演ってもなかなか上手いじゃん。

 ウエイターがさっき頼んでおいたロングカクテルを運んできた。イタリア出身で俳優のフラビオだ。

 この街ではウエイターもウエイトレスもとにかくみんな俳優(志望)だ。フラビオはウッディ・アレンがイタリアで撮った映画に台詞のある役で抜擢されたのがきっかけで渡米してきたらしい。

 いつものように、「プールの女の子たちの中で誰が一番可愛い?」なんて話を少しする。今日はなぜか気分がとてもいいので、チップを少し多めに渡した。

 反対側のプールサイドのデッキチェアでは、ミスター・ハリウッド、ジョージ・クルーニーがキラキラ輝く真っ白な歯を見せながら、隣に侍らせた新しいガールフレンド(やっぱりとびきりの美人)に向かって笑顔をふりまいている。

 映画の中での印象に比べるとなんだか線が細くて小さいな。