ノンフィクション作家の石川好氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。
橋下徹大阪市長と大阪維新の会はなぜ人気を得ているのか、また、どんな問題を内包しているのか、独自の視点から論評した。
大阪維新の会は国会議員のいない「野党」?
中山 今日のゲストの石川好さんは、日中国交正常化40周年記念実行委員会企画委員長を務めておられます。私が安倍・福田内閣の外務大臣政務官時代、現役の政府高官として初めて南京市に入った際にも、色々お世話になったご縁があります。
その石川先生に、今日は日本の政治状況を中心にお話を伺っていきます。いま、関西圏を中心に大阪維新の会が話題を集めていますが、こうした新党の動きについてご意見をお聞かせください。
石川 まずは、これまでの新党について振り返り、それから大阪維新の会についてお話ししたいと思います。
1955年に自由党と日本民主党が保守合同して自由民主党が成立しました。また、同年に右派社会党と左派社会党が合同して日本社会党が誕生し、以降ずっとこの2大政党制、実質的には1.5大政党制が続きます。
その中から、新しい政党がたくさん誕生します。例えば既成政党では、ロッキード事件後、田中(角栄)元首相のやり方に反対した河野(洋平)氏が自民党を離党して新自由クラブを結成し、一時ブームになった。
他にも、小沢(一郎)氏による新生党や、武村(正義)氏らによる新党さきがけなど、大政党から脱党して新党を作る動きが活発化します。また、社会党系からも民社党や社民連ができたりと、2大政党から少しずつ分かれていったのです。
これに対して、既成政党とは全く無関係の新しい政党の代表例が、細川(護熙)氏の結成した日本新党です。細川氏は、政治家が誰もいない中、当時キャスターだった小池(百合子)氏ら有志を巻き込んで新党をつくり、やがて天下を取ります。
また、政党としては成立しませんでしたが、約20年前に大前(研一)氏が平成維新の会を結成し、十数人とともに立候補したこともありました。そして、橋下(徹)氏が率いる大阪維新の会が出てきた。
中山 自民党時代もそうでしたが、民主党に政権交代してからも首相がコロコロ代わり、国民の政治不信が非常に強くなりました。そこに新しく登場した選択肢が大阪維新の会ですよね。
石川 その通りです。今の状況は、自民党と民主党と公明党がいわゆる1つの与党のようになっていて、国政に1議席も無い大阪維新の会が野党という、いままでにない複雑な構図になっている。