R・ブランドが離婚申請、ケイティ・ペリーとの結婚から14か月

結婚からたった14カ月後に離婚を発表した英コメディアンのラッセル・ブランドと米歌手のケイティ・ペリー〔AFPBB News

 前回は結婚のメリット、リターンについて解説しました。結婚すると良いことがあるという主な理由5つを検討しました。

 今回から、その反対の結婚のデメリットについてお話しします。結婚のデメリットとは、つまり、結婚が続かない理由です。

 大きな理由は10ほどあります。今回からしばらく「結婚がうまくいかない理由」を一つひとつ説明していきましょう。

 「病めるときも貧しいときも一生愛し続ける」と誓約しても、結局は破綻してしまう。この不合理な結婚という社会制度、この連載の肝に当たる部分なので、しっかり学んでもらいたいものです。

 まず、10ある問題点のうちの第1点目は、「恋愛や結婚が、愛他的行為であると勘違いするから」です。

利己的な遺伝子

 人間は遺伝子レベルにおいて利己的動物です。利己的とは自分の利益を優先するということです。恋愛も結婚も自己利益の追求の結果なのですが、しばしば反対の愛他的表現が横行しているので注意しなければなりません。

 例えば、好きな女ができて、女の両親の実家に行き、「A子さんを幸せにします」とか言います。男は偉ぶって、「おまえを守るから」とか「おまえを幸せにするから」とかも言います。

 さらに、あくまで比喩的な表現としてなのでしょうが「彼女のためなら、火の中、水の中」とか「彼女のためなら死んでもいい」とか、「彼女を一生幸せにします」とか、恋愛バブルのピークではそんなふうに言ったりします。

 何かおかしいです。陳腐です、表現が。でも、恋愛の絶頂期にある男はこんな表現を使って相手の女の心をつかもうとします。

 こんな言葉を使われたら、女の方も「そんなものか、守ってくれるんだ、幸せにしてくれるんだ」「自分のために死んでくれるんだ」と思ってしまいます。受け身の恋愛、結婚の誕生です。与える男、奪う女の図式が生まれる瞬間です。

 結婚を愛他的行為ととらえてしまうと結婚の破綻は早いです。人間は幸せには(もちろん不幸にも)慣れてしまうものなので、慣れてしまった分だけ要求度が増えていくものです。

 バーキンのバッグを買ってもらってうれしいのも束の間、次はエルメスの限定バッグを買ってほしいと願うことになります。人間の欲求は果てしないものです。