中国漁船衝突事件に見る、米国における中国のプロパガンダ
中山 中国と言えば、かつて尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が発生した際、当時海上保安官だった一色(正春)氏がネット上に映像を公開しました。あの一件についてはどうお考えですか?
西村 一色氏が取った行動は、我が国の歴史上画期的なことです。戦前、中国は米国内で「日本は悪だ、残虐なことを中国人にしている」と宣伝して、米国世論を反日に誘導した経緯がある。
それと同様のプロパガンダを、また米国のマスコミでやり始めたのです。
これを受けて、ニューヨーク・タイムズでは「尖閣諸島では、貧しく無防備な中国人漁民を日本の軍国主義者が武装船で虐めている」と報じました。こうしたありもしない宣伝によって、また戦前と同じサイクルに入ってはならない・・・。
そんな時に、一色氏が「百聞は一見に如かず」と言わんばかりに事実を世界中に流したのです。
途端に中国はピタリとやめました。中国人の嘘が世界中に発表されたから、やめざるを得なかった。ですから一色氏は、戦前のように東アジアで孤立状態に陥る危機から、我が国を救ったと言ってもいいでしょう。
中山 確かにあの映像がなければ、日本の国境線で起きた事実を誰も知ることはなかったと思います。政府に報告は上がっていたのですか。
西村 海上保安庁から証拠のビデオが上がっていたのに、菅(直人)元首相、前原(誠司)元外務相、仙石(由人)元官房長官らは隠していたんですよ。
つまり、彼らは中国共産党とグルになって日本人を貶めた。世界中から日本が非難されるのを助長していたということです。
小沢訪中団が日本のシーレーンにもたらした危機
中山 以前、民主党幹事長時代の小沢(一郎)氏が同党の議員約140名を含む総勢600名あまりを率いて中国を訪問したことがありましたね。
