週刊NY生活 2012年2月11日383号

East Sea (東海)と単独表記
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 地図中の日本海を「East Sea(東海)」と単独表記した地球儀がニューヨーク公立図書館(五番街西42丁目)に展示されていることが2月8日までに分った。

 地図収集家のキム・テジン氏がイタリアの地図製作会社ゾフォリ製の地球儀2つを1月27日に寄贈したもので、同館1階117号地図閲覧室内にあるほかの3つの地球儀とともに並べられている。

 これまで「Sea of Japan(日本海)」のみ表記された地球儀および「Sea of Japan(East Sea)」と併記された地図標本が一冊展示されていたが、「East Sea」単独表記の地球儀が展示されるのは今回が初めて。同地球儀は常設される見通し。

 寄贈に対して同館広報のエミー・ゲドディグ氏は「表記を巡る政治的な理由で寄贈を受けた経緯は一切ない。知名度のある地図収集家からの提供により受けたに過ぎない」とコメントした。

寄贈された地球儀

 一方、寄贈される段階で「東海」が表記されていることを認識していたかについては明言を避けた。

 1月27日の寄贈式には高宗(1897年の大韓帝国初代皇帝)の子孫にあたるイ・ヘギョン氏も同席した。

 担当した職員のマシュー・クヌッツェン氏は「寄贈には感謝している。しかし、韓国メディアの一部報道で、地球儀の展示が当館の『東海』表記の支持と報じられていることには誠に遺憾。我々の目的は利用者へ資料を提供し、調査や勉学を支援していくこと」として、東海明記の地球儀寄贈が政治利用されかねない事実に懸念を表明した。

 今回の寄贈について在ニューヨーク日本国総領事館の川村泰久首席領事は、「事実関係を調査中だが、日本国政府の基本的立場は『日本海』が国際的に確立した唯一の名称であり、根拠のない主張には断固として反駁(はんばく)することだ」と述べた。

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