元旦に放送された2012年第1回目の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、パソナグループ代表兼社長の南部靖之氏をゲストに迎えた。

 学生時代に起業した人材派遣会社を業界大手に育て上げた南部氏が、現在取り組む雇用問題などについて語った内容をお伝えする。

若者に足りないのは、自ら人生を創る気持ち

中山 南部さんは学生時代にベンチャーを起こされましたが、今そういう意識を持つ若者が少ない気がします。なぜこんなにも元気が無いのでしょうか?

就活だ!都内で「就職出陣式」

専門学校生の就職出陣式の様子〔AFPBB News

南部 「決まったコースを歩まなければならない」というルールに従って、自分の生活空間を作る教育を受けているからでしょう。

 私は小中高時代、皆が勉強している中、塾にも行かず山登りや釣りをして過ごしていました。人としての道を外したことさえしなければ、両親も決して怒らなかった。たとえ試験で良い点を取れなくても、父親が「人に迷惑をかけた時に恥じよ」と言うだけでした。

 大学時代も気づけば周りが就職活動をしていましたが、私だけ出遅れてしまったんですよ。それなら「自分でやったろう」と思い、起業することにしたのです。

 就職の道を選ばずに、当時で言うプータローになったのですから、ものすごく不安も感じました。ただ、自分で「人事権」を持って、自ら人生を創っていこうという目標がありましたね。

お金を使いながら、新しい物を作るのが創業者

中山 会社としても個人としても、南部さんは他の企業とは少し違った経営の視点から、常に面白い取り組みをされていますよね。

南部 そんなに違わないですよ(笑)。ただ、私のような「創業者」と、いわゆる上場会社の「経営者」は違う気がします。

 利益や売り上げを伸ばして株価を上げ、それによって給与を上げる、という人が経営者ですが、創業者は「こういう世の中をつくりたい」という理念や、「この会社でこんな物を売りたい」というような燃える思いを持っている。

 もっと言えば、経営者は利益を上げる人、創業者はお金を使う人だと思います。新しいものをつくっていくのが創業者ですから、私の場合もお金を使いながら夢や希望を叶え、そして自分の理念を全うしています。