マット安川 田久保先生は終始番組を通して、政治、経済、世界情勢と、各問題に対して現政権がやるべきことを鋭くかつ厳しく指摘されました。

 内容は記事をご覧いただきたいのですが、さて、沖縄に米軍基地がある戦略的重要性など少し考えれば分かるはずですが、あまり表立って指摘されていないように思います。メディアでは取り上げづらいのでしょうか?

 それはなぜなのでしょうか?

鳩山総理は日米関係の重要性を理解していない

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:田久保忠衛/前田せいめい撮影田久保 忠衛(たくぼ・ただえ)氏(右)
外交評論家・杏林大学名誉教授 国家基本問題研究所の副理事長として取材・啓蒙活動にあたっている。(撮影・前田せいめい、以下同)

田久保 鳩山由紀夫総理は国際社会における日本の立ち位置を分かっているのか、私は大いに疑問です。足元のことに汲々とするばかりで、物事を大局的に見るという姿勢が感じられません。

 彼は4月12日に米国のオバマ大統領と対話し、翌日には中国の胡錦濤国家主席と会いました。にもかかわらず、ほんの数日前に中国艦隊が行った示威行動について、いずれの場でも何の話もしていません。

 公海上とはいえ武装した軍艦が鼻先を通ったのですから、米国にはそれなりの相談を持ちかけるべきですし、中国には断固として抗議するのが筋です。

 盛んに中国のご機嫌を取る一方、普天間問題では日米関係を損ないかねない右往左往ぶり。いったいどこを見て政治をしているのかと言いたくなります。日本の2倍、3倍の軍事力を誇る中国の脅威は見て見ぬふりをし、一番大事な同盟国である米国に不快感を与えるというのは実にトンチンカンなことです。

 小沢(一郎)幹事長にしても600人以上を引き連れて北京詣でをし、胡錦濤国家主席と写真に収まって喜んでいる始末。したたかで巧妙な中国の手管にまんまと乗せられている現状は、嘆かわしい限りです。

中国を軍事的脅威ととらえ、これに対抗する気概を

 今の日本国民には危機感というものが乏しすぎると思います。核もミサイルも保有し、空母まで自前で持とうとしている中国を脅威ととらえ、対抗しようという気概のカケラもない。