アイスランドの火山噴火で欧州の空路がまひ状態にある中、スマートフォンやソーシャルメディアといったITの機器やサービスが、足止めを余儀なくされている旅行者の重要なツールになっている、と欧米の各メディアが報じている。
英フィナンシャル・タイムズによると、旅行者は空路以外の交通手段を模索しているが、旅行関連のウェブサイトはアクセスの集中で、相次ぎシステムがダウンしている状態。
そうした中、人々はミニブログサービスの「ツイッター」やソーシャル・ネットワーキング・サービスの「フェイスブック」といったネットサービスに救いを求めている。
ネットの仕組みを利用して情報交換
記事によるとツイッターでは交通情報関連のアカウントが開設され、人々はそれらを通じて情報入手しているほか、「ハッシュタグ」と呼ぶ仕組みを利用して互いに情報共有している。
ハッシュタグとは、「#」マークと特定のキーワードを組み合わせてツイート(つぶやき)を投稿することで、ほかのユーザーと同一の話題を共有できる仕組み。これを利用して検索すれば同じテーマの話題が次々と入ってくるというわけだ。
現在のところ、「#getmehome」(家に帰して)、「#stranded」(足止めされている)、「#putmeup」(泊めてください)といったハッシュタグが多く使われているという。
これらではカープール(自動車の相乗り)に関する情報を提供し合ったり、航空便に関する情報を投稿したりしている。カープールに関するウェブのサービスを利用するよう勧める投稿もある。
一時的ではあったが、ツイッターではゴムボートでフランスから英国に帰国させるという計画が立ち上がった。
英国のテレビ司会者がボートでフランスのカレーから英国のドーバー間を往復して人々を救うという計画を思いつき、ツイッターを使って情報を提供していたが、フランス当局の勧告により計画は中止されたとメディアが報じている。
入出国管理上の問題があったもようだが、ツイッターに開設されたアカウントには860人のフォロワー(つぶやきを追跡するユーザー)が登録した。