米グーグル、米マイクロソフト、米インテルなどのハイテク企業や、プライバシー擁護団体、シンクタンクなどが集まり、米国のプライバシー保護法の見直しを求める業界連合を結成した。電子メールやネット上の文書など、オンラインの情報についてもオフラインと同様にプライバシーが保護されるべきだとし、議会に働きかけていくとしている。
20年間大きな改正がない法律
「デジタル・デュー・プロセス(デジタル分野の適正な法手続き)」と名づけたこの団体が問題視しているのは、1986年に施行された「電気通信におけるプライバシー保護法(ECPA:Electronic Communications Privacy Act)」。
司法当局による個人の電子通信へのアクセス方法を定めた法律だが、団体によると、過去20年間でテクノロジーが目覚ましく進歩したのに対し、この法律は大幅な改定がなされていない。
非営利団体の「民主主義と技術のためのセンター(CDT)」は次のように述べている。
「オフラインの世界では、家宅捜索や、手紙などの閲覧、文書の押収には捜査令状が必要だ。同様のことが、インターネットサービスプロバイダーのサーバー上の電子メールや書類にも適用されることを明示する必要がある」
デジタル・デュー・プロセスは、次の4点について改正を求めている。
(1)オンラインデータ:司法当局がオンライン上に保存されている個人の通信データや文書を入手する際、捜査令状の取得を義務づける
(2)個人の位置情報:司法当局が携帯電話などの通信機器の位置情報を追跡する際、捜査令状の取得を義務づける
(3)通信の監視:司法当局が、個人の電子メール、インスタントメッセージング、テキストメッセージなどについて、通信時間や通信相手などの情報を監視する際は、裁判所に対し犯罪捜査との関連性を立証するよう義務づける
(4)不特定多数のデータの一括取得:司法当局がある特定の分野のユーザー全員の情報を一括して入手しようとする時は、裁判所に対し犯罪捜査上必要であることを立証するよう義務づける