28日の東京市場でユーロと豪ドルは買いが先行したものの押し戻される展開。IMFがイタリアに財政支援を行う準備をしている、とのイタリア紙による報道や、独仏が一部加盟国だけで財政統合強化を先行するとの観測が、リスク回避を和らげた。米感謝祭明けのブラックフライデーで、売上高が大きく伸びたことも、ユーロや豪ドル買いの背景にあるようだ。ユーロドルは先週終値の1.3240近辺から、1.3344近辺まで一時上値を伸ばした。ただ、買いが一巡すると上げ幅を縮小している。ドル円は77.40台に下落して始まった後は反発し、77.60台を中心に堅調に推移した。
イタリアのスタンバ紙は、IMFがイタリアに対して最大6千億ユーロの支援を実施する可能性があると報じた。ただ、IMFはコメントを拒否し、イタリア政府も支援を要請していることは認識していないとした。市場参加者の間ではIMFの支援は否定された、との噂が流れ一時ユーロが売られる場面もあった。
その他、イタリアのモンティ首相は12月5日に更なる緊縮策を発表する見通しで、IMFのチームが近くローマ入りする予定とされている。
Klugアナリスト 鈴木信秀