今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)ゲストは、がんこ寿司で知られるがんこフードサービス会長の小嶋淳司氏。

 大阪市・十三で始めた4坪半の寿司店を、和食やとんかつ店などの業態を加えて全国展開するフードサービス企業に育て上げた小嶋氏が、日本の産業界が直面する問題などについて語った。

電力規制は国際競争力の足かせとなる

岐路に立つ「メイド・イン・ジャパン」、円高に悩む製造大国の未来は

長引く円高で、生産拠点の海外移転など厳しい決断を迫られる日本企業〔AFPBB News

中山 今、歴史的な円高から大企業を中心に企業の海外流出が加速しています。政府はどんな対策に力点を置くべきだと思いますか?

小嶋 日本の企業は、超円高、高い法人税率、自由貿易協定への対応の遅れ、労働規制の多さ、環境規制の強化、電力供給不安という「六重苦」に直面しています。

 特に、円高と法人税率の高さについては、国内にしか目が向いていないために放置され、国際競争力の大きな足かせとなっています。

 また、これに追い打ちをかけているのが電力不足です。今、海外から企業を誘致しようにも、電力制限しながらではできるわけがありません。政府が行うべきなのは、原子力発電を止めることではなく、一刻も早く安全な原発を開発することです。

 しかし、「自然エネルギーへのシフト」という中長期的な視点と、短期的に取り組むべき課題が混同されています。私が副会頭を務める大阪商工会議所では、そうした政策に対する提言を行っています。

「選択と集中」によって躍進する韓国

中山 日本の政府からはなかなか戦略的な方針が出てきませんが、お隣の韓国は、国を挙げて映画などのコンテンツ事業を推進しています。小嶋さんはこの韓流の動向をどう捉えていますか?

小嶋 以前、大阪へのロケ地誘致を目的に、当時の国土交通大臣や知事らと韓国を訪問したことがあります。現地で、何人もの人気俳優を育てた監督と懇談するなかで、こんな話を耳にしました。