前日の海外市場でも見られたユーロ売りが東京市場で強まり、さらに豪ドルなども値を落とすなど、リスク懸念の拡大傾向が目立った。
ユーロドルはそれまで1.3500近辺がサポート水準となっていたが、フランスの格下げ懸念再燃などをうけてしっかりと割り込むと、ストップを巻き込んで1.34台半ば割れ。その後も戻りが鈍く1.34台前半での推移に。対円でもユーロ安が進み、前日の海外市場で下値を支えた104円ちょうどをしっかり割り込み103円台半ばまでの動きに。
フランスの格下げ懸念という思惑先行であったが、市場全体にリスク懸念が広がり、アジア株が軒並み大きく売られたほか、原油など商品市場も軟調な地合を見せていた。
◆AAA格付債券にも格下げの懸念が
欧州でこれまでAAA格付を誇ってきたオーストリアやフランスに格下げの噂が出ている。フランスは累積赤字こそ対GDP比で82.326%とドイツの83.964%よりも良いぐらいだが、2010年の財政赤字が7%を越えるなど、ここにきての高水準に懸念が広がっていると見られる。こうした動きが、ドイツを除く欧州債の下落(利回り上昇)傾向に拍車をかけるとの思惑が、ユーロ売りにつながったと見られる。