15日のNY市場、序盤はユーロの売りが優勢となっていたが、その動きも後半には一服している。この日発表になった米経済指標は足元の底堅さも伺わせる内容ではあったものの、イタリアやスペイン債に売りが続くなど、欧州債務への懸念は根強い。CDS市場でも債務保証コストが過去最高をきょうも更新する中、ユーロドルへの売りが強まり、瞬間1.34台に下落する場面も見られた。
しかし、後半になって、米株式市場がプラスに転じたことや、組閣協議中のモンティ新伊首相が明日、ナポリターノ伊大統領を訪問すると伝わったことから、難攻も噂されていた組閣にメドがついたのではとの期待感も高まった。ユーロドルは1.3550水準まで買い戻される動きとなったが、上値は重い。
一方、ドル円は77.00付近での推移が続いた。相変わらず上値の重い状況が継続し、一時76円台に下落する場面も見られたが、下値での介入警戒感も強く、かつ、欧州債務危機で全体的にドル買いとなっていることから、77円台はサポートされている。
目下、76.50/60水準が下値メドとなっており、本邦勢の買いオーダーも観測されているようだが、一方で、その下には大量のストップもあるようだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)