前回、「住宅バブルの中国で、商業地がマンションに変貌」で、中国の住宅抑制政策の中でも「公寓」という抜け道があることをお伝えした。今回は、その「公寓」が投資対象としてどのような特徴があり、リスクがあるかを説明したい。

「公寓」の特徴

 なかば強引に住宅となった「公寓」は、実際に生活できるとはいえ、あくまで商業用地に建つ商業施設である。

中国の不動産市場が下落、世界的な影響も

北京の不動産会社の前に掲示された物件(2011年11月12日撮影)〔AFPBB News

 しかし、現在の「限購令」下で住宅以外の不動産に資金が向かう中で、「公寓」は、すでに2件以上住宅を保有して、これ以上住宅に投資できない人々にとっては重要な投資対象となり得るのである。

 「公寓」にはどのような特徴があるだろうか。以下は、弊部がこれまでに実際に現場を訪問して分かった「公寓」の特徴である。投資対象として売りやすく企画・設計されていることが分かる。

■ 土地使用権の期間は40年(商業用地)

■ 間取りはワンルームから1LDK(30~60平方メートル程度)

■ 内装付き

■ ホテル式の管理を採用

■ 銀行が提供する住宅ローンを利用できない

■ 電気および水道は通るがガスは通らない場合がある

■ 企業登記が可能

 「公寓」は商業用地の上に建てられているものの、見た目は住宅で、実際に不自由なく暮らすことができる。