フリージャーナリストの山田厚俊氏を電話ゲストに迎えた、今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 永田町取材を中心に活躍する山田氏が、野田(佳彦)首相が交渉参加を表明したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題を中心に語ったトーク内容をお伝えする。

玉虫色のTPP交渉参加表明をした野田首相

中山 民主党政権発足後、2年間で早3人目の総理が誕生しました。野田(佳彦)首相に関しては、最初から国民に期待させない戦略を取っているようにも見えますね。

日本のTPP交渉参加、オバマ大統領のアジア構想に追い風

11月11日の記者会見でTPP交渉に参加する方針を発表した野田首相〔AFPBB News

山田 野田首相は、日本のトップに就任してもいまだに「Who is NODA?」と呼ばれているありさまです。

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加交渉問題についても、首相として諸外国に日本の方向性をはっきりと示すべきです。

 しかし、先日行われた記者会見では「交渉参加に向け関係国との協議に入る」と、玉虫色の表明だった。あの発言を翻訳しても、全くわけが分からないと諸外国から言われてしまうわけですよ。

 一番問題なのは、国内でも賛否両論あるこのテーマについて、きちんと国民に説明がなされていないことです。

 TPPの何がメリットでデメリットなのか? デメリットがあるとしても、「こういう理由で日本を開く」とか「これではまずいから独自路線を打ち出す」など、政府や首相自身が国民目線で分かりやすく伝えるべきではないでしょうか。

 もっと国民的議論になってしかるべきTPPが一部の団体だけで盛り上がっているのは、このような国民への説明や議論の呼びかけないからだと思います。

 本来、政府が国民に語りかけることを目指して発足したのが民主党政権であったはずです。しかし何もやらないで、やっぱり官僚にお任せなんだという失望感がある。

 だったら、大阪で橋下(徹、前大阪府知事)に何かやってもらおうじゃないかという妙な期待が、大阪府知事・市長ダブル選挙への注目につながっているように感じます。