10日のロンドン市場はリスク回避一服でドルじり安に。昨日、市場を混乱させたイタリア債は買い戻され、10年物国債利回りは7%を割り込んでいる。ユーロドルは東京市場の1.35台前半から1.36台前半までユーロ高/ドル安が進み、ドル円は77.50台に下落している。
イタリアのベルルスコーニ首相は総選挙の実施に否定的だとの報道や、次期政権に向けた動きが出ていることからイタリア政治不安が後退している。注目されたイタリア1年物証券入札は、平均落札利回りが6.087%と1997年1月以来の高水準となったが、落札額が50億ユーロと目標をクリアしたことが好感された。イタリア10年物国債利回りは一時7.399%まで上昇していたが、入札を受けて7%を割り込み、6.828%まで低下した。ECBは本日もイタリア債を購入していたもよう。また、協議が続いていたギリシャの暫定首相にパパデモス前ECB副総裁が就任したとの報道もユーロを押し上げた。

◆英中銀は据え置き
英中銀金融政策委員会は政策金利の0.50%と資産買い入れ枠2750億ポンドを市場の予想通り据え置いた。政策金利の据え置きは32ヶ月連続。市場はポンド買いで反応している。

Klugアナリスト 鈴木信秀