27日のNY市場はユーロや資源国通貨の買い戻しが強まった。前日の欧州の首脳会談での包括案がひとまず好感された格好で、海外市場の流れを引き継いで、リスク選好の雰囲気が強まった。この日発表になった7-9月期の米GDPで個人消費が堅調だったことも市場のセンチメントを改善させたようだ。

欧米株式市場では金融株が急伸し、為替市場でもユーロドルが一時1.42台半ばまで急伸した。豪ドルもほぼ一本調子の上昇を見せ、対円では81円台半ばまで上昇している。

しかし、ギリシャやイタリアなどの緊縮策導入に対する不透明感もあり、また、それに伴う景気への影響も警戒される中、市場の一部にはユーロの継続的な上昇について懐疑的な見方から戻り売りを推奨する向きも少なくないのも事実ではある。

◆ドル円、75円台後半で振幅 下値を攻め切れない状況も
ドル円は75円台後半での上下動が続いた。ドル安の動きから下値模索は続いているものの、日本の財務省が来週のG20首脳会合で、円高問題を取り上げるとの見方が出ており、また
単独介入への警戒感もある中、下値を攻め切れない状況でもある。75.50の水準にかけ日本の機関投資家の買いオーダーなども多数観測されていた。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)