20日のロンドン市場でユーロや豪ドルは一時急伸した。EFSFによる流通市場での国債購入の可能性が報じられたことが一因。ユーロは、ドルと円に対して本日の高値を更新し、欧州株は下げ幅を縮小した。ドル円は下値から反発したものの、東京市場と同じレンジ内(76.68-86近辺)に留まっている。
ロイター通信が報じたところによると、欧州委員会はEFSFに関するガイドライン文書で、ユーロ加盟国が要請し、ECBとユーロ圏財務次官が同意した場合にEFSFは流通市場での国債購入が可能だとの認識を示した。ただ、ユーロ加盟国が流通市場での支援を得るためには、債務削減が可能な状態にあるなどの条件が求められるとし、同条件となる財政調整や改革について規定した合意文書を1-2日のうちに準備するとしている。また、銀行の資本再編に関しては、民間投資家や政府による実施が不可能だった場合のみ、EFSFを活用出来るとした。
その他、23日開催のEU首脳会議の声明草案で、債務と赤字に関するEUの規定を、2012年末までに自国で法制化することを目指す方針が明らかになった。規定では、GDPに対する財政赤字の水準を3%、債務残高を60%以内に収めることを求めている。また、声明では、ギリシャ向け第二次支援の民間部門関与は、固有で例外的な措置であるとの考えがあらためて示されたという。

ロンドン市場早朝は、昨晩の独仏首脳やトリシェECB総裁との協議で進展がなかったことを背景に、リスク回避的な動きが先行した。サルコジ仏大統領は行き詰っている、とのコメントを述べている。

Klugアナリスト 鈴木信秀