英フィナンシャル・タイムズは、アイフォーンやタブレット端末の「アイパッド(iPad)」など、革新的な製品を世に送り出し、最初にヒットさせたのはアップルだが、それがきっかけとなってライバルメーカーも続々この市場に参入してきたと報じている。
とりわけグーグルはOSを無料で端末メーカーに提供するという大胆な戦略に出ており、今や大半のメーカーがアンドロイド端末を製品化している。
これにより、「アップル対その他すべてのメーカー」という対立構図が生まれている。
この状況に対処するためには、他社に先んじてまた新たなイノベーションをもたらす必要があるが、クックCEOにそれができるのかが問われている。
「ジョブズになる必要はない、最高の自分を引き出せ」
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)も同様の論調で、「アップルは、アンドロイド端末との熾烈な市場競争が繰り広げられる中、創業者と製品開発の師を同時に失った」と報じている。
同紙によると、クックCEOはここ最近リーダーとしての自信も見せ、従業員からの信頼も厚い。ジョブズ氏の下で5年間働き、その教えも受け継いでいる。ジョブズ氏死去の前日に開かれた新型アイフォーンの発表会では口調がジョブズ氏にそっくりだったという。
しかしやはりクック氏はクック氏、ジョブズ氏にはなれない。「ジョブズ氏になろうとせず、最高の自分を引き出せばよいのだ」。そんな指摘も出ていると同紙は伝えている。
ジョブズ氏のカリスマ性、創造力はあまりにも偉大で、その重圧は相当のもの。それをどう吹き飛ばしてリーダーシップを発揮できるか。クック新CEOの手腕が試されている。