今年のパリのクリスマスは、前日のイブが雨、そして一夜明ければ快晴のおだやかな日和となった。この日は祝日で、郵便局や美術館などの機関はもちろんのこと、ほとんどの商店やレストランが休み。
ファミリーで過ごすのがフランスの形
開いているのは、いくつかのカフェと働き者のパン屋さんくらいだから、ツーリストにとっては、少しばかり受難の日となる。
フランス人にとってのクリスマスは、ファミリーで過ごすのが普通。イブの夜かクリスマス当日に、大家族で盛大な食事を囲むというのが多いから、この時期はバカンスとはまた違った、ちょっとした民族移動の季節となる。
私の周りでも、郊外に住む母親のところへパリから移動という人、地方に住む妹家族の家へ行くために、レンタカーを借りるという人あり。
また、「今年はうちがホスト役なの」と、母親、娘カップル、娘の彼の両親を招いての食事の支度を数日前から準備しているという友人がいるかと思えば、やはり彼女の両親と兄家族を迎え入れてのホスト役を引き受けたために、遅れ遅れになっているサロンの大改装を仕上げてしまわなくては、と、壁の塗装におおわらわになっている友人がいたりする。
ちなみに、家の改装を自分の手でやるというのも、フランス人にとってはけっして珍しいことではない。
子供だけでなく大人一人ひとりにもプレゼントを用意
と、このように、クリスマスというのは1年のうちでも最大級のイベント。
それも、サンタクロースを信じている子供のころとは違って、大人にしてみれば、クリアすべき煩雑なオーガナイズあり、大家族のなかでの微妙な人間関係が浮き彫りになったりと、必ずしも手放しで楽しめるというものではないらしい。
そして欠かせないのがプレゼント。
「今年からは、大人同士の交換はなしで、子供だけにということになったのよ」という友人のようなところでもなければ、テーブルを囲むメンバーの一人ひとりにプレゼントを用意しなくてはいけなかったりする。