新政権は地方分権にはほとんど関心がないようです。
復興増税の規模を抑えるため、既存の予算を廃止・削減してお金を生み出そうとしていますが、そのお金の多くは東北の被災地に優先的に配分されることとなります。そのため被災地以外の地域では、公共事業の予算規模はおそらく削減されることになるでしょう。
また、今の日銀の対応では円高もさっぱり収まらず、工場の海外流出という、地方にとって非常に深刻な悪影響が及びます。
このような事情から、地方自治体は行政も企業もこれまで以上に自力で振興を図らねばなりません。
とはいえ、地方で建設業や大企業の工場に代わるものが突然生まれるわけもありません。3大都市圏以外の地域では、どうやって農産物や加工食品の売り上げを上げるかという努力をすることとなります(観光については次回、詳しくお話しします)。
円高は、地方の農産物にも加工食品にも悪影響を及ぼしています。
私が住んでいる福岡で全国的に有名な食品といえば「明太子」です。原料となるスケトウダラの卵は輸入品も多いので、単純に考えれば、今回の円高は原料が安く買えるようになってありがたいのではないかと思えます。ところが、そうでもないようです。スーパーなどに並ぶ低価格品は韓国製のものが多くなっているので、ますます輸入品が安く入ってきてしまうのです。
明太子の海外での販売にチャレンジしているところもあるのですが、この円高です。海外輸出は非常に厳しくなっているようです。輸出に活路を求めている各地の農協も同様のようです。農業関係者は、これまで以上に国内での縮小する需要の中で勝ち残っていかなくてはなりません。
自治体のPR作戦は時代に追いついていない?
自治体や農協は、これまでどのようなPRや販売支援をしていたのでしょうか。力を入れているのは農産物そのもので、加工食品には余り力を入れていないことが多いようです。理由はよく分かりませんが。
その農産物のPRですが、一番分かりやすい事例は、前宮崎県知事の東国原英夫氏のように東京の大田にある青果市場に行って宮崎のマンゴーのPRをすることです。ただし、東国原氏のような知名度がないとテレビで取り上げられることもなく、その効果は自己満足の域を出ないかもしれません。または東京の有楽町にある交通会館などにアンテナショップを出して、地元の農産物のPRをする都道府県もあります。