米IT大手ヒューレット・パッカード(HP)の最高経営責任者(CEO)人事を巡ってまた騒動が起きているようだ。ブルームバーグなどの米主要メディアは21日、HPの取締役会がレオ・アポテカーCEOの更迭を検討していると報じた。

 同氏は昨年11月にCEOに就任したばかり。就任直後からこれまで様々な戦略を打ち出してきたが、株主が同氏に不信感を抱いているようで、取締役会はそうした不満に対処しようとしているとメディアは報じている。

大胆すぎる施策に投資家が動揺

米HP、パソコン事業分離を検討 タブレットからも撤退

トップが長続きしない米HPの本社。日本的な社風が災い?〔AFPBB News

 HPでは2010年8月にマーク・ハード前CEOが、セクシュアルハラスメント疑惑に端を発した経費処理問題で辞任。

 同年9月に、統合基幹業務システム(ERP)を手がけるドイツSAPでCEOを務めたアポテカー氏をCEO兼社長に任命した。

 その後アポテカー氏はクラウドコンピューティングやソフトウエアなどを柱とした事業戦略、大規模なコスト削減策計画を発表するなど、経営改革を進めてきた。

 今年8月には、パソコン事業の分離・独立(スピンオフ)の検討や、米パームの買収によって取得した基本ソフト(OS)「ウェブOS(web OS)」搭載タブレット端末の開発を打ち切る方針を明らかにし、一方で企業向けソフトウエアを手がける英オートノミー(Autonomy)を買収すると発表した。

 しかし米ウォールストリート・ジャーナルなどのメディアは、こうした大胆すぎる同氏の行動が投資家を動揺させたと伝えている。