7日に米労働省から発表された米10月の雇用統計は、筆者作成「星取表」の結果から直前に警戒された通り、劇的な悪化となった。非農業部門雇用者数は、市場予想中心よりも弱い▲24万人。より大きなサプライズになったのは、過去カ月分の下方修正の大きさである。

 前回9月分は当初発表の▲15万9000人が▲28万4000人となり、米同時テロ事件発生の2カ月後にあたる2001年11月以来の減少幅を記録した。8月分も▲7万3000人から▲12万7000人に下方修正。8・9月の下方修正幅合計は▲17万9000人に達した。非農業部門雇用者数は今年に入ってから10カ月連続で減少しており、累計は▲117万9000人となった。10月時点の後方6カ月移動平均は▲14万4000人である。

 

 10月分における注目業種の雇用者数減少幅は、以下の通り。
・建設業は▲4万9000人(前月▲3万5000人)。住宅関連、非居住用ともに減少が目立つ。
・製造業は▲9万人(前月▲5万6000人)。大手航空機メーカーのストの影響が▲2万7000人。
・小売業は▲3万8000人(前月▲4万5000人)。うち販売不振の自動車ディーラーが▲2万人。
・金融業は▲2万4000人(前月▲1万6000人)。金融仲介、証券、不動産などで幅広く減少。

 

 サービス部門全体の雇用者数は▲10万8000人で、5カ月連続の減少となった(前月▲20万1000人)。米10月のISM非製造業・雇用指数が41.5に大幅続落したことからすると、落ち込み幅が小さいように思える。次回11月分発表時に下方修正されるのではないか。

 

 また、10月の失業率は6.5%で、前月から0.4ポイントも急上昇した。1994年3月以来、14年7カ月ぶりの高い水準である。失業率を下3ケタまで計算すると6.502%で、9月の6.125%から0.377%上昇した。