内閣府が8日に発表した8月の景気ウォッチャー調査で、景気の現状判断DI(方向性を示す)は41.7(前月比▲0.7ポイント)となり、8カ月ぶりに低下した。また、景気の先行き判断DIは44.0(前月比▲0.9ポイント)で、2カ月連続の低下となった。動きとしては小さいながらも、景気回復の動きに息切れ感が出てきた兆候と受け止められる。

 筆者が8月19日作成「『個人消費は7月頃に腰折れ』説」で取り上げた、景気の現状判断DI・家計動向関連・小売関連の業態別内訳を見ると、今回はまちまちの動き。前月比でDIが上昇したのは、「百貨店」「スーパー」「コンビニエンスストア」「その他小売店」の4つ。DIが低下したのは、「商店街・一般小売店」「衣料品専門店」「家電量販店」「乗用車・自動車備品販売店」の4つとなった。低下が特に目立ったのは「商店街・一般小売店」で、DIは31.7(前月比▲6.1ポイント)だった。

 なお、政府の景気対策による刺激効果が出ている「家電量販店」と「乗用車・自動車備品販売店」については、ともにわずかながら2カ月連続の低下となった。8月分のDIは、前者が54.9 (前月比▲0.1ポイント)、後者が52.2(同▲0.2ポイント)である。

 上記のようなDI低下にもまして、今回の調査結果で筆者が印象的だったのは「デフレ浸透」あるいは「後戻りできないデフレ」を示すウォッチャーからのコメントが目立ったことである。主なものを引用してみよう(下線は筆者)。