台風が通過した後、しばらくはとても快適な日が続いていたのですが、九州にもまた蒸し暑い日が戻ってきました。

 数年前に倒産した夕張市立総合病院を引き継いだ夕張市希望の杜の村上智彦医師からいただいたメールには、「夕張は13度」と書いてありました。夏休みは涼しい北海道に行きたいものですが、東北ではまだ避難所の体育館で暮らしている人がいると思うと、気が引けます。

 さて、福島の原発事故に端を発した全国各地の原子力発電所の運転再開問題ですが、九州では、ほとんどの国会議員や首長がこの問題について発言をしません。せいぜい政府の姿勢を批判することがあるくらいです。地域の問題を自分たちで考え、解決を図っていくという自治の姿とは程遠いものがあります。

 そのように誰も発言しないのは、一体なぜでしょうか?

 それは、東京の人たちが想像もできないくらい、九州・福岡の政財界における九州電力の存在が大きなものだからです。

九州で企業規模が突出している九電

 福岡では、「七社会」という九州財界のリーダー的な企業の集まりが強い影響力を持ちます。「七社」とは、九州電力、西日本鉄道、九電工、西部ガス、JR九州、福岡銀行、そして西日本シティ銀行です。

 社会の公的な基盤を形成している企業ばかりということに気がつかれた人もいらっしゃると思います。一方、全国的に名を知られた製造業や、IT企業、サービス業がありません。これは3大都市圏(東京、大阪、名古屋)以外に共通した状況です。

 この7社の中でリーダー的な役割を果たしているのが九州電力です。九州電力の幹部は特に福岡の政財界に非常に大きな力を持ちます。

 本来は水面下で行われる調整が表に出た事件がありました。2011年4月に行われた福岡県知事選挙の候補者選びの大逆転劇です。

 経済産業省出身の小川洋氏が候補者となって当選したのですが、実は、その候補者選びの過程で、びっくりすることが起きました。

 いったんは、自民党の県議の方が候補者として正式決定したのですが、前知事と九電の幹部がその決定に異議を唱え、翌日には九電の幹部が財界を取りまとめ、あっという間に決定をひっくり返し、経済産業省出身の小川さんが候補者になったのです。九電の力はこんなに強いのかと改めて思いました。