東日本大震災で、大きな被害を受けた地域は「コメどころ」でもある。広い地域で津波による海水が内陸部まで達し、塩害が発生。今もなお水田の復旧にめどが経たないままだ。一方、コメの需要は消費者の買いだめなどで膨らむ可能性がある。今年、コメの需給が逼迫するのか、具体的に見ていきたい。

地割れ、塩害・・・、農地に複合的な影響

 地震で東日本の農地は大きな被害を受けた。農林水産省は「津波により流失や冠水等の被害を受けた農地の推定面積」をはじき出している。これによると、被害を受けた耕地面積は、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県で2万3600ヘクタール。6県の耕地面積のうち約2.6%に相当する。

 水田の被害は津波だけにとどまらない。内陸部でも強い揺れに襲われた地域で、農地の地割れや液状化現象、農業用水路の損傷などが見られた。

 農水省調べの「農林水産関係被害状況」によると、東北、関東地方など16県で農地・農業用施設が損壊。農地の損壊は1万4734カ所、農業用施設などの損壊が1万8364カ所に上り、損害額は7137億円と見積もられている。

 津波の影響で、土中の塩分濃度が高く作物が育たない「塩害」も深刻だ。イネをはじめとする農作物は、土壌の塩分が高いと水を吸収せず、水分が流出して枯死してしまう。また、塩の成分であるナトリウムなどを大量に吸収すると、カリウムやカルシウムの吸収が阻害され、イネが育たなくなる。

 特に宮城県では、農地の1割以上が流失・冠水の被害を受け、4市町の沿岸部の水田約2000ヘクタールが塩害のため今年のコメの作付けができない見込みだ。JA仙台によると、津波の際、海水は内陸5~6キロに達したという。仙台市などが行った調査によると、土壌の残留塩分濃度が基準値の10倍近い箇所も見られた。

 耕地の復旧には、真水で塩分濃度を薄め、土を入れ替える除塩作業が必要になる。作業で塩分濃度が0.1%以下になり、今年の作付けができると見込まれる水田の面積は、6県合計で1823ヘクタールだ(内訳は、宮城県1147ヘクタール、千葉県578ヘクタール、福島県61ヘクタール、青森県22ヘクタール、茨城県10ヘクタール、岩手県5ヘクタール)。しかし、塩害に遭った水田の大半はがれきが散乱しており、復旧のめどが立たないままだ。