カラバオ・カップ準決勝、第2戦の試合を見守るマンチェスター・シティのグアルディオラ監督(2020年1月29日、写真:ロイター/アフロ)

(後藤 健生:サッカージャーナリスト)

 2月14日、欧州サッカーを巡ってショッキングな報道があった。

 欧州サッカー連盟(UEFA)がイングランド・プレミアリーグの強豪「マンチェスター・シティ」(以下マンC)に対して「重大なファイナンシャル・フェアプレー(FFP)違反」があったとして3000万ユーロ(約36億円)の罰金を科し、同時に来シーズンから2年間にわたって欧州チャンピオンズリーグなどUEFA主催大会への出場を禁止したと発表したのだ。これに対して、同クラブはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に対して異議を申し立てる意向を示している。

世界で最も人気がある最強リーグ

 イングランドのプレミアリーグは世界で最も人気のあるリーグだ。

 人気だけではない。高騰するテレビ放映権料など資金力も潤沢で、プレミアリーグの中堅クラブでもドイツやイタリアなどのトップレベルのクラブ並みの資金力を持っているのだ。その資金力を使って優秀な選手を獲得できるので、プレミアリーグは世界最強リーグと言っても過言ではない。実際、昨シーズン(2018~19年シーズン)のチャンピオンズリーグ決勝はイングランド勢同士の対戦となり、リバプールがトッテナム・ホットスパーを破って優勝している。

 今シーズンのプレミアリーグでは2月16日現在、リバプールが25勝無敗1分という圧倒的な戦績で2位のマンCに25ポイントもの大差を付けて独走しているが、マンCは2017~18年、2018~19年とプレミアリーグを連覇した強豪だ。そのマンCがチャンピオンズリーグに出場できなくなれば、強豪同士のハイレベルな戦いを心待ちにしているファン、サポーターは大きな失望を味わうこととなる。

 UEFAがこのような裁定を下したのは、同クラブが2012年から2016年にかけてスポンサー収入を水増ししたことによるものだという。