東京オリンピックに出場する選手は酷暑との戦いを強いられる(写真はイメージ)

 酷暑が続いている。気象庁が「平成30年7月豪雨」と名付けた西日本を中心にした豪雨災害による被災地でも、この酷暑が救援・復旧の大きな障害となっている。 

 昨年(2017年)7月にも、「平成29年7月九州北部豪雨」と名付けられた集中豪雨により、福岡県、大分県を中心とする地域に甚大な被害をもたらした。2年前の2016年8月には、北海道に台風7号、11号、9号が立て続けに上陸し、岩手県にも台風10号が上陸した。北海道に3つの台風が上陸したことも、東北地方太平洋側に台風が上陸したことも、1951年に気象庁が統計を取り始めて以来、初のことであった。3年前には、「平成27年9月関東・東北豪雨」により、鬼怒川が氾濫するなど栃木県や宮城県に大きな被害をもたらした。

 この4年間だけを見ても、毎年、台風、集中豪雨などにより、日本列島は大きな災厄に見舞われてきた。ほとんどが7月から9月にかけてである。

 私がかつて住んでいた新宿区でも、以前は神田川がよく氾濫したものである。早稲田通りでマンホールが数メートルも吹き上げられているところを実際に目撃したこともある。高田馬場地域も、かつては水害常習地域だった。

 東京都は、時間雨量30ミリ、時間雨量50ミリ、時間雨量75ミリとその対応を順次強化し、以前のように頻繁に水害が発生することはなくなったが、いまやこれらの想定を超える雨量も全国で起こっている。7月、8月というのは、最も水害が起こる確率が高い時期である。

 だが2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、7月24日に開幕し、8月9日に閉幕することになっている。本当に、この時期に行うことが適切なのか。