「ダウ平均株価5万ドル超え」が刺繍された帽子がかけられたニューヨーク証券取引所のディーリングルーム(2月6日、写真:ロイター/アフロ)
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(英フィナンシャル・タイムズ紙 2026年2月9日付)

 米国に関して言えば、世界中の投資家が今、「Bash All Day, Buy All Night(終日叩き、終夜買う)」ことを愛してやまない。

 筆者は最近、アジア、欧州、中東各地を訪問し、関税からグリーンランドに対する意図、古い世界秩序の軽視に至るまで、ドナルド・トランプが率いる米国への文句が激しくなっている様子に驚かされた。

 世論調査も同じ悪化傾向を示しており、米国に対する好意的な見方が全世界で急減している。

 そこでニューヨークに戻り、数字に目を向けると、米国に対する意見が急激に悪化するなかでさえ、資金がかつてないほど流入していることが分かった。

米国の株式や債券に記録的な資金流入

 外国人は昨年、米国の金融資産に1兆6000億ドル前後の資金をつぎ込み、このうち7000億ドル近くが株式市場への資金流入だった。

 いずれの数字も過去最多で、近年の水準を大幅に上回っている。米国の社債についても状況はほぼ同じで、外国人による買いが急増した。

 昨年4月の一時的な「米国売り」の波を除くと、外国人は2025年のすべての月で米国資産を大幅に買い越した。米国の個人投資家と全く同じように、積極的に「押し目買い」していた。

 シンガポールから韓国ソウルに至るまで、外国人は人気が高まる米国の時間外取引プラットフォームで売買するために徹夜している。

 この米国買いラッシュを見送っている数少ない外国人投資家の一つが中央銀行で、各国の中銀は資金を米ドルから金(ゴールド)に移している。

 また2025年に見られた新たな警戒サインは、世界の投資家が前代未聞の水準まで膨らんだドルへのエクスポージャー(投融資残高)を前年より多くヘッジしていることだった。

 外国の機関だけで今、米国株の15%近くを保有している。この比率は過去最高で、10年前の水準の1.5倍に上る。