米国以外の国々で相場上昇と経済成長に拍車
熱狂的なAIブームに陰りが見えてくれば、米国資産が最も大きな打撃を受ける恐れがある。
昨年の米国の経済成長の半分以上は、米国企業がAIインフラに投資している数十億ドルの資金と、米国の金融資産に流れ込む資本の波によって説明できるからだ。
一方で、米国の市場支配と予測不能性に対応し、他国の政府はリスクの分散を図ろうとしている。各国政府は二国間の貿易協定を結び、規制緩和を進め、防衛と自国技術への投資を増やしている。
昨年の米国市場への膨大な資金流入にもかかわらず、諸外国の市場は大差で米国をアウトパフォームした。
米国外で経済成長が高まるなか、モメンタム(勢い)が増しつつある。今年と来年、各国経済は米国の1.5倍のペースで成長すると見られ、近年との比較でこの差を広げる。
また2027年を通して、企業の平均(均等)加重利益は新興国では米国の2倍、他の先進国では50%速いペースで拡大する見通しだ。
米国の支出習慣は、いまだかつてないほど見知らぬ外国人の心理にかかっている。昨年、外国からのポートフォリオ投資の資金流入は、米国の経常赤字全体を賄い、それでもまだ余るほど大きかった。
これが前回起きたのは2000年代半ばで、当時は米国市場が今ほど大きくなく、赤字額もこれほど大きくなかった。投機的な外国資本への米国の依存度がこれほど高かったことは一度もない。
ホットマネーが逆流すれば劇的なショック
あれだけの米国叩きにもかかわらず、外国人は今、70兆ドル近い米国資産を保有し、10年前の水準の2倍に達している。そして過去1年間、こうした資金の大半が「ホットマネー(投機的な短期資金)」として流入した。
すぐには引き揚げることができない工場や事業への外国直接投資は、瞬時に流れが逆転するような株式や債券などの資産へのポートフォリオ投資より格段に弱かった。
もし世界が夜通しの米国買いを減らせば、そのインパクトは米国市場に劇的な衝撃を与えるかもしれない。