お釈迦様が説いた真の中道とは
「中道」は仏教の教えの中でも根幹をなす考え方で、古代インドにおける仏教の祖、釈迦が説いたものだ。
釈迦は覚りを得た後、鹿野苑(サルナート)という楽園で5人の弟子たちに最初の説法を行ったと伝えられている。これを「初転法輪(しょてんぽうりん)」という。
初転法輪で、釈迦はこのように説いた。
「この世は苦しみである。出家者は苦から解放されるためには、2つの極端に走ってはならない。第一には、ひたすらに愛欲快楽を求めることである。第二は、自らの肉体を痛めつけ、消耗させる苦行であり、それも真の目的にかなわない」
その上で、釈迦はこれらの2つの極端を避ける「中道」が重要であると説いた。そして、「道」の内容を具体的に、「正しい8つの道(八正道)の実践である」とした。
釈迦の涅槃像(写真:鵜飼秀徳)
したがって、仏教の中道とは、「真ん中を選択する」とも、「ほどほどにしておく」というニュアンスとも異なる。中道とは、覚りの境地への「実践の道」を指すのだ。それには八正道という具体的な修行を伴う。
仏教のとなえる「八正道」の実践とは以下である。
①正しい見解(正見)……諸行は無常であるということを理解し、何に依ることもないものの見方をすること
②正しい考え(正思惟)……我欲や怒り、憎しみなどを捨て、他者を害さない中立的な考え方をすること
③正しい言葉(正語)……嘘をついたり、二枚舌を使ったり、自己に都合のよいことばかりを言わないこと
④正しい行い(正業)……むやみに生き物を殺したり、盗んだり、異性関係の乱れなど、人としてやってはいけないことをしない
⑤正しい生活(正命)……自らを戒め、規則正しい生活を送り、決して人を騙したりしないこと
⑥正しい努力(正精進)……罪を犯さず、すでに犯した罪は繰り返さない様にし、正しい生活を送るよう励むこと
⑦正しい意識(正念)……何ものにも惑わされることなく、物事の本質を見極め、仏の真理に向かって邁進すること
⑧正しい注意(正定)……瞑想などで心を集中させ、煩悩を断ち切り、涅槃へと導くこと
よりわかりやすく、車のドライブにたとえてみる。