作戦目的:米軍が狙う4つの戦略目標
(1)デモ弾圧の抑止
米国の目的はデモを直接支援することではなく、弾圧コストを引き上げ、デモが継続できる環境を整えることである。
(2)イランの報復能力の無力化
・弾道ミサイル基地
・UAV拠点
・IRGC(イラン革命防衛隊)指揮統制施設(C2)
(3)米軍基地・同盟国の防衛
・先制的能力破壊
・中東における米軍プレゼンス維持
(4)核関連施設への打撃(政治判断次第)
・ナタンズ、フォルドゥ等
・ただしエスカレーションが大きい
作戦フェーズ:米軍ドクトリンに基づく6段階モデル
米軍は教範「JP 3-0 “Joint Operations” 」に基づき、6フェーズ・モデル(Joint Operation Phasing Model)で作戦を構築するのが一般的。
●フェーズ1:部隊防護・前方展開(Deter)
目的:イランの報復能力を見極めつつ、米軍の損害リスクを最小化
・アル・ウデイド基地の非戦闘員撤収
・空母打撃群(CSG)の中東展開準備――現在、中東には空母が不在だが、複数の報道によれば、空母「エイブラハム・リンカーン(CVN‑72)」を中核とする機動打撃群は、アラビア海(イラン南部への攻撃が可能)には1月22〜25日、オマーン湾(イラン本土の大半が射程内)には1月24〜28日、そしてペルシャ湾(最も近接するがリスクが大きい)には1月27日〜2月1日に到達すると予測されている
・爆撃機「B-52」/「B-1」/「B-2」の前進配置準備
・サイバー部隊のアクティブ化
●フェーズ2:初動打撃(Seize the Initiative)
米軍が最も得意とする短時間・高精度の限定攻撃が実施される。
・トマホーク巡航ミサイル
・ステルス戦闘機「 F-35」/「F-22」による指揮統制施設(C2)破壊
・サイバー攻撃による防空網の麻痺
・IRGCミサイル部隊・UAV拠点への同時攻撃
攻撃目標は指揮統制施設(C2)、防空網(IADS)、ミサイル・UAV(無人航空機)基地、海上封鎖能力(ホルムズ海峡)、核関連施設(政治判断次第)
●フェーズ3:抑止的継続攻撃(Dominate)
・ミサイル発射基地の継続的無力化
・IRGC(イラン革命防衛隊)指揮系統の分断
・沿岸部の対艦ミサイル・高速艇部隊の排除
●フェーズ4:限定的地上作戦(Stabilize)
大規模侵攻は避けられるが、以下の限定的作戦は想定される。
・特殊部隊による人質救出
・核関連施設の一時的制圧
・UAV・ミサイル基地の破壊
●フェーズ5:民政移行支援(Enable Civil Authority)
政権転覆型作戦で用いられるフェーズであり、イラン作戦では通常想定されない。