カリフォルニア州マウンテンビュー市にあるアルファベットの本社(2023年6月12日撮影、写真:Alamy/アフロ)
米IT大手の2025年7~9月期決算は、生成AIブームが業績を押し上げる構図が鮮明となった。
グーグル持ち株会社のアルファベットは10月29日、売上高が初の1000億ドルを突破し、純利益が過去最高となったと発表。マイクロソフトも、純利益が四半期ベースで過去最高を更新した。
両社に共通する牽引役はAIで、その基盤となるクラウド事業が(アルファベット「グーグル・クラウド」34%増、マイクロソフト「Azure」40%増)高成長を維持した。
両社ともAIインフラへの巨額の設備投資をさらに加速させる方針で、AI覇権を巡る競争が激化している。
アルファベット決算、売上高が初の1000億ドル超 AI需要でクラウド好調
アルファベットが29日発表した2025年7~9月期決算は、売上高が前年同期比16%増の1023億4600万ドル(約15兆6000億円)と、四半期として初めて1000億ドルを突破した。
純利益は33%増の349億7900万ドル(約5兆3300億円)で、売上高とともに市場予想を上回った。
AIブームを背景に、インターネット広告とクラウドコンピューティング事業がともに好調で、売上高、純利益のいずれも過去最高を更新した。
9四半期連続の2桁増収、10四半期連続の増収増益となった。1株利益は2.87ドル(前年同期は2.12ドル)だった。
主力広告10四半期連続増収、サブスクも好調
業績を事業別に見ると、主力のインターネット広告事業の売上高は、前年同期比13%増の741億8200万ドルとなり、10四半期連続の増収を達成。増収率は前四半期の10%を上回った。
ネット広告事業の内訳は、検索連動型広告が15%増の565億6700万ドルとなり、過去最高を更新した。
動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」の広告は15%増の102億6100万ドルで、10四半期連続の増収だった。
一方、グーグル広告ネットワークは3%減の73億5400万ドルだった。
「YouTube Premium」などのサブスクリプション(定額課金)やデバイス等を含む「その他サービス」は21%増の128億7000万ドルと好調な伸びを示した。
これらを含めたグーグル・サービス全体の売上高は14%増の870億5200万ドルだった。