写真:共同通信
スポーツマネジメントをテーマとした本連載、今回は「スポーツマネジメントの挑戦」について考える。
中谷潤人が戦う上でいかにパフォーマンスを高められるか
衝撃的な強さに、ファイターはまた大きく、評価を上げた。
6月8日に東京・有明アリーナで行われたボクシングのWBC・IBFバンタム級世界王者統一戦に勝利した中谷潤人選手(M・T)だ。
IBF王者の西田凌佑選手(六島)に試合早々から猛攻を仕掛け、6回TKO勝利。圧巻の強さを際立たせた。
顔を見に試合前の控え室に行くと、とてもいい雰囲気で潤人選手を支えているチームが一つになっている様子が伝わってきた。
最高の形で勝利してバンタム級2団体を統一した潤人選手は来年、東京ドームで1階級上のスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥選手との「世紀の一戦」の実現へ、世間の注目が集まっている。
そんな彼をマネジメントする私たちのミッションは、そのときを迎えたとき、どういったスポンサーを獲得できているかだと考えている。
昨年6月に専属マネジメント契約を結び、スポーツマネジメント会社として最初に取り組んだことが、彼が戦う上でいかにパフォーマンスを高められるかということだった。
一つは合宿時などのサポート。私の会社では旅行事業を行う免許を持っており、潤人選手が現在も国内とともに練習の拠点としている米ロサンゼルスへ渡航し、現地で試合前に合宿を行うとき、航空チケットの手配や滞在先などの確保などを担う。
プロ野球などのチームスポーツではないボクシングの場合、選手は基本的に移動や滞在時の手続きを自分や関係者が行う必要がある。そのためのサポートが最初だった。
次にコンディショニングの面。潤人選手から「体をケアするためのトレーナーを入れたい」とリクエストがあった。体の張りを早く取り除くことが目的だ。
日本で練習をしているときに派遣していたトレーナーの腕前がよく、彼の信頼も得ていたので、ロサンゼルスの合宿にも同行してもらうことにした。