インタビューに応じた塩村あやか氏(写真:筆者撮影)
7月20日投開票の参院選では、政権与党の自民・公明両党が大敗したものの、野党第一党の立憲も議席を伸ばせずに終わった。その象徴とも言えるのが、改選議席数6プラス非改選の欠員1が争われた東京選挙区。立憲は候補者2人を擁立したが、現職の塩村あやか氏のみが7位でのギリギリ当選となった。
選挙戦後半に突如「戦略的投票大作戦」が立憲議員により展開され、塩村氏ではなくもうひとりの立憲候補に投票を促された影響や、立憲民主党自体が受け皿になれず比例票も国民民主党、参政党を下回る4番手にとどまったことなど、忌憚なく聞いたインタビューを2回に分けてお届けする。
(ジャーナリスト・富岡悠希)
任期3年の7枠目があったので生き残れたが…
——実績を武器に序盤は優位な選挙戦を展開していたはずでしたが、結果は改選定数外の補欠選挙枠での7位当選ですね。
塩村あやか・参院議員(以下、塩村):はい。支援者や選挙を共に戦った立憲の国会議員、地方議員の皆さんの頑張りを最善の結果で返すということができませんでした。申し訳ない気持ちです。本来の東京選挙区は6枠しかありません。たまたま任期3年の7枠目があったので生き残れましたが、なければ落選でした。客観的に受け止めると立憲は「共倒れ」でした。
自民が失速する中の参院選だったので、野党第一党が候補者を2人出す考え自体は間違っていなかったと思います。
ただし、立憲が参院選で都内の有権者から得られた比例票は、前回2022年で約80万票。東京選挙区は60万票弱が当落の目安になります。比例票を2枠で分けると40万票ずつになるので、一人の候補が20万票を上乗せする必要があります。結果として今回の参院選では比例票も伸びず、7位となりました。
さらに私自身がリーダーシップに欠けていたと反省をしています。選挙戦の序盤は現職であることから悪くはなかったのですが、「手ごたえがある」との感触までには至っていません。
そんな中、中盤以降はテレビやネットで国民民主党さんや参政党さんが盛り上がっていきました。前回選挙(2019年)と異なり、終盤になっても街宣車からの私の呼びかけに振り返ってくれる有権者はそこまで増えなかった印象です。
候補者本人は選挙対策(選対)本部に入らず、選対会議にも出ません。私が体感している有権者からの反応によると、選挙前や選挙序盤に言われたように「安泰」なはずがありません。厳しい現実を選対担当者には何度か口頭で伝えたのですが、私の表現力が乏しかった。せめて5日に1度ぐらいは選対会議に出るべきでした。
