潮が引いた時間だったのか、鳥たちが退屈そうに濡れた砂の上で休んでいました。

 地中海でも屈指の人気リゾート地とはいえ、太陽が出ないことにはどうもパッとしません。猫も張り合いがなさそうに植木鉢のなかで寝ていました。

 寝ていた猫は伸びをしたあと歩き出して、港を背景に撮ったら? とプレジャーボートが停泊しているところでポーズをとってくれました。雲が厚かったので、なんだか湿っぽい写りになってしまいました。

 曇天なら曇天なりの風情を味わえるところはどこだろうと、山間にある村パルデモーサを訪ねました。ここは、ピアノの詩人ショパンがひと冬滞在し、「雨だれ」を作曲した村として知られています。