韓国のポスティングシステムが参考になる
世界最高峰の舞台であるメジャーにトップ選手が流出するのは、日本だけではない。スポーツニッポンは、韓国メディア「OSEN」の記事として、韓国プロ野球(KBO)ではポスティングシステムを使ってメジャーに進出した場合、「復帰する際に必ず元の所属チームに戻らなければならない」「KBOリーグでは復帰後、さらに4年間プレーしなければFA資格を得ることができない」と日本との違いを紹介している。
メジャーは「契約社会」で、トップ選手の多くは過去の実績などから開幕前の時点においてメジャーでプレーすることが確約されている。毎年、メジャー昇格を勝ち取れる選手は、競争に勝ち残った若手を中心としたわずかな選手に限られる。
上沢投手のように日本から移籍した選手がいったんマイナーに落ちた場合、メジャー復帰は容易ではないのが現実でもある。上沢投手が自らのキャリアを日本で再スタートさせる決断に影響しているだろう。
ソフトバンクはこうした中で、石川柊太投手が国内FA権を行使し、ロッテへ移籍したチーム事情もあり、同じく獲得に動いた日本ハムよりも好条件でのオファーを出して契約合意に至った。
ルールの範囲内で行われた交渉だが、理屈では割り切れない日本ハムのファンにとって「不義理」だとの感情が湧くのも理解できる。上沢投手が最初から日本球界復帰を見越してルールの抜け穴を探ったわけではないだろうが、日本ハムとしても、極論を言えば、1年後に日本球界に復帰するならポスティングシステムでの米球界への移籍を容認していなかっただろう。
移籍先がライバル球団で、しかも、ポスティングシステムによる自チームの選手のメジャー挑戦を容認していないソフトバンクということも、ファン感情を逆なでしたともいえる。
現役メジャー選手や球界OBからは、ポスティングシステムの“盲点”を指摘するコメントが相次ぐ。