過去データの分析では「15年」以上の保有で元本割れなし
「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著/日本経済新聞)という、投資の名著があります。ここでは、15年以上保有することで元本割れしないという分析結果が紹介されています。
<図:S&P500の投資期間と年平均リターンの散らばり方(1950年〜2020年)>
上図は、1950年から2020年までの期間で、S&P500に「1年間」「5年間」「10年間」「15年間」「20年間」「25年間」投資した場合のリターン(年平均)の散らばり方(ブレ幅)を表したものです。プラスは利益、マイナスは損失です。
金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」および「NISA早わかりガイドブック」の中でも、1985年以降の期間で20年、長期・積立・分散投資を続けたら元本割れしていない、という分析結果が示されています。
もちろん、これらは過去のデータであり、将来の投資成果を保証・予測するものではありません。それでも、15〜20年以上投資を続けることで、堅実にお金を増やせる可能性は高いと言えそうです。
過去を見ても下落を一切せずに、上がり続けた相場がないことを考えれば、今回の下落も自然な流れです。
このまま、大きな暴落相場になるかはわかりませんが、仮に暴落となったとしても、淡々と保有&積立を継続するのが大切。やることはシンプルです。
下落相場、暴落相場を乗り越えた経験は、必ずあなたの糧となります。
※実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
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頼藤 太希(よりふじ・たいき) (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、資産運用・年金・税金・家計管理などに関する書籍の執筆・監修、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。最近の著作に『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』『はじめての新NISA&iDeCo』『定年後ずっと困らないお金の話』など。著書累計150万部超。
