音楽の構造をゼロから腑分けしつつ、一つひとつの声部、動機やフレーズをいかに解釈造形していくか、あくまで原則に忠実に楽譜を読み、そのうえで無限の可能性に開かれた解釈の自由を謳歌する、その喜びを学生たちと共有すること。
いま私自身が生徒たちと共にするレッスンの、一つの模範は間宮先生のクラスにあり、いまもそれに恥じぬよう、あらゆる局面で気を引き締める鑑と思っています。
95歳、天寿を全うされたとも言えますが、生成AI標準の今日、まさに人間ならではの創造性が問われる今、時代を照らす星たるべき人が、また一人、流れて去ってしまいました。
言葉でうまく表現できない乾いた空虚を覚えます。
語るべきものについては語り、語り得ないものについては、プログラムを書いてグラフィクスを付すこととします。
心から、間宮芳生さんのご冥福をお祈りするとともに、遺された譜面に新たな命を吹き込み続けるのが、続く世代の音楽家の使命と思います。
先ほども記した通り、間宮さんへの追悼として、いま私が音楽学生たち、あるいは中学生対象でも教えている、AI支援で詠ませた「俳句」に、一様乱数を用いて描画させたグラフィックスを付して結びに代えます。
生成AI以降の世代が、真に創造性を発揮するうえで、間宮さんの示された星は、大きな明かりになると思うのです。