東京で2番目、全国でも4番目に「小さな市」
国立市は面積8.15平方キロメートルと全国で4番目に小さな市だという。確かにちょっと散歩をしているとすぐに隣りの市に出てしまう。
人口は7万3655人、選挙人名簿登録は6万4494人。穏やかで住みやすい町だが、やはり現役世代の人口減少などの問題は抱えているらしい。今回の市長選挙ではそのあたりが論点だ。
はまさき氏は、地域経済の活性・景観と住み心地の維持・子育て教育への支援を3本の柱として国立の新時代をひらくという。一方の永見氏は2期8年の実績を強調し、安定した市政を継続するという。つまりは変革か安定かという選択なのだろう。
はまさき氏の演説を聞きに国立駅南口へ歩いた。空っ風が冷たい。思わず身震いした。大学通りの銀杏並木の葉っぱが風に踊っていた。今日は谷保天満宮主催のクラッシックカーのパレードをやっているらしく懐かしい車が駅前ロータリーを次々に走っていく。のどかな選挙戦だ。
思えば今年の選挙は荒れた。都知事選挙における小池知事の学歴詐称問題と候補者の大量出馬、総選挙では自民党の裏金問題からの非公認や離党勧告で大物議員の落選。私が見に行った八王子の演説会場も凄かった。戒厳令のような警備体制で戦車でも出てくるのかと思うほどだった。私服刑事や制服警官が念入りに点検し、果ては警察犬まで登場、クンクン臭いを嗅ぎ回っていたのには驚いた。
演説予定の30分前になるとちらほらと記者やテレビカメラマンが集まりだした。彼らはお行儀よく自分たちで取材位置を決め脚立を据える。警備などは一人も見当たらず、直ぐ近くの駅前交番の警官は机に向かって欠伸をかみ殺している。もちろん警察犬など来るはずもなく、飼い主のお供でやってきた痩せたプードルが寒そうにブルブル震えていた。