米国が世界に誇る科学やメディアも標的
米国の科学と医学は世界をリードしている。だが、トランプは米厚生省のトップに陰謀論者を据えることを提案した。
トランプ支持派のニューヨーク・ポスト紙でさえ、ロバート・F・ケネディ・ジュニアと会った後、彼が「多くの面でイカれている」と結論付けた。
もしRFKが米国全体にワクチンに対する敵意を広めたら、未来の感染症流行の種をまくことになる。
世界トップの大学10校のうち7校が米国にある。だが、米国の教育機関もトランプの「敵リスト」に載っている。
トランプの盟友たちは、大学は「ウォークさ」と反ユダヤ主義の要塞だと主張している。
トランプを支持する金融界の大物ビル・アックマンは最近、名門エール大学は「(イスラム組織)ハマスと何ら変わらない」と言った。
ウォークさに対する攻撃は、より幅広い問題について大学を威嚇し、服従に追い込むための攻城用の槌(つい)として使える。
米国はやがて、一流大学がよりどころとする知的自由が脅かされるのを目の当たりにすることになるかもしれない。
専制的な国家と米国を本当に分かつ報道の自由も脅かされている。
トランプは気に入らないことを報道したメディア企業を何社も提訴している。これは専制的な体制のお気に入りの戦術だ。