運用・戦闘力など
米国採用の電磁式カタパルトと中国のスキージャンプ方式には、大きな機能上の差がある。
艦載機の最大発艦重量は、ニミッツ級が45トン、山東が28トンほどでニミッツ級に比べ約40%少ない。
そのため、燃料や武装を減らす必要があり、作戦半径が短くなり、戦闘力も低下する。
さらに、遼寧や山東は早期警戒機や電子戦機などの搭載も困難である。
1日の出撃回数(ソーティ)は、前述の通り、ニミッツ級が120回ほど、山東が30~40回程度で、3分の1ないし4分の1の能力である。
また、作戦期間は、原子力推進のニミッツ級が燃料補給なしで数年間、ディーゼル機関推進の山東が自艦の燃料で航行可能な期間は15日ほどと見られ、それ以上の運用には補給艦の随伴が不可欠である。
このように、米空母11隻に対し、中国空母は建造中を含め3隻に過ぎず、規模的に劣勢である。
また、排水量や動力源、艦載機の射出方式、艦載機数などのスペック面で、米中には大きな開きがある。
そのため、運用のスケール・柔軟性や戦闘力にも大きな差を生じ、総じて、米中の空母力には大きな戦闘力格差の存在を指摘せざるを得ない状況である。