米中の空母にはいまだ大きな戦力格差あり

隻数・スペック等

 米海軍は現在、ニミッツ級10隻、ジェラルド・フォード級1隻、計11隻の空母を保有している。

 ニミッツ級は、排水量7.4万トン以上、原子力(原子炉2基搭載)推進、蒸気カタパルトを採用し、艦載機約70機(最大90機)を搭載できる。

 ジェラルド・フォード級はさらに大きく、排水量10万トン以上で、時速200キロ以上に急加速できる電磁式カタパルトを採用し、艦載機75機以上を搭載できる。

 一方、中国海軍は、現在、空母「遼寧」と「山東」の2隻を保有し、3隻目の「福建」を建造中である。

 遼寧は、旧ソ連の空母「ワリヤーグ」を改造したもので、排水量5.8万トン以上、ディーゼル機関推進、スキージャンプ方式を採用し、艦載機24機(「J-15」)を搭載できる。

 山東は初の国産空母で、排水量6.6万トン以上、ディーゼル機関推進、スキージャンプ方式を採用し、艦載機36機を搭載できる。

 福建は、2隻目の国産空母(中国3隻目の空母)として建造され、2022年6月に上海で進水し、2024年5月に初回の試験航行を行った。

 同空母の試験航行には、少なくとも1年間が必要と見られている。

 この空母は排水量8万トン以上で、J-15戦闘機や「KJ-600」固定翼早期警戒機などを運用可能な電磁式カタパルトを装備しており、艦載機60~70機の搭載が可能という。

 なお、中国には、将来的に原子力空母の建造計画が存在するとの指摘があるが、その実現には10年単位の期間が必要と見られる。