(写真:AP/アフロ)

 「AI PC(AIパソコン)」と呼ばれる、AI(人工知能)処理に強いパソコンの出荷台数が増えている。2024年4~6月は、パソコン全体に占める比率が14%に達した。現在このカテゴリーでは米アップルが首位に立つ。パソコン市場はここ何年も低迷が続いていたが、今後はAI PCの伸びが市場全体に好影響をもたらすとみられる。

AI PCとは? 24年4~6月は880万台出荷

 AI PCとは、AI処理専用のチップ「NPU」(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を組み込んだSoC(システム・オン・チップ)を搭載するパソコンのことだ。

 このほど、シンガポールに本部を置く調査会社カナリスが最新リポートを公表した。それによると24年4~6月は880万台のAI PCが出荷された。そのパソコン全体に占める比率は前四半期の7%から14%に上昇した。

アップルのシェア60%、Windowsは39%、ChromeOSは1%

 AI PC分野においてアップルの出荷台数は約60%を占めている。米マイクロソフトのOS「Windows」 は約39%で、米グーグルの「ChromeOS」は約1%だった。

 アップルはMシリーズのSoCをパソコン「Mac」とタブレット端末「iPad」で採用している。このSoCには機械学習(マシンラーニング)関連処理に特化した「Neural Engine(ニューラルエンジン)」が搭載されている。

 カナリスによれば、アップルは既に米国で、AIシステム「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」のMac向けプレビュー版を開発者に公開している。これによりMacにおけるAIのユースケースがより明確になった。今後、これらの機能が一般公開されれば、ユーザーのAI体験が一般に広がることになる。